【台高】宮川・大和谷本谷
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記  キンゴ

2006年8月13日〜14日

白山の谷に行く予定やったんやけど、渋滞するどぉ〜ってな情報を得て気分が変わる。
さてと、アプローチに時間がかかるっちゅう理由で一度も踏み込んでなかった流域、宮川に目を向ける。大和谷なんか面白そうやな。出発当日に行き先の変更をパートナーに告げると・・・・・・・なんか怒っているが、何か別の事にご不満らしくて、谷行きの変更には、快く承諾してもらう。小山伏に、「下山路は何処やぁ〜」って電話で聞くと「焼山谷の左岸やぁ〜」って教えてもらって、いざ出発!

【タイトル】夏休み
【メンバー】めぐわんこ、キンゴ
【日程】2006年8月12日夜発〜14日
【天気】快晴・・・・やけど、やっぱり雨もあり
【場所】台高 宮川・大和谷本谷
【地図】大和柏木・宮川貯水池(1/25000)

今回は、初めての流域っちゅうこともあって、浮かれた気分でワクワク (^^)
20:30過ぎに自宅を出て、わんこ君を拾ってキンゴ号は宮川に向かう。蓮より先は未知の世界。湯谷峠を越えて鋭角に右折して宮川貯水池に向かうが、結構判り易い。堺市から3時間半位やな。林道の終点地に車をデポして宴会が始まる。月明かりに照らされてヘッデンも必要ないくらい。豪華なメニューで鮎の塩焼きまで出てきたのには、びっくらこきましたですー (^^ゞ


次の朝、5:50に起きて、ぼぉ〜っとしながら仕度を始める。わんこ君お手製のおにぎりが旨い!そやけど・・・・・・仕度の遅いわんこ君に痺れを切らせながら、不機嫌なキンゴは、わんこ君に数発蹴りをお見舞いする。 7:33出発。聳え立つ山にドキドキワクワク。ただ、涼石岩屋の伝説は、村一番の別嬪さんのおさきと紀州藩の浅井三郎四郎との恋を妬んだ者が、おさきさんを涼石岩屋から突き落としたなんて、あまりにも酷い。いつの世も、妬む者が滅びればいいのになー。
右に滝ノ谷を見送って、左岸に付けられた道を進む。すぐに吊橋を見送ってさらに進むと枯れたルンゼが右から入って壊れかけたモノレールが降りてきていて、壊れた吊橋の下を潜って右岸に渡る。 8:04 

左に枯れたルンゼを見て斜L8mを越えて左から入る枝谷を見送ると頭上に壊れた吊橋が2本またまた現れる。8:45 この先でカモシカが落石を生じるが、我々には全く影響がない。右にルンゼと六丁峠から降りて来ている山道を見送ると、左から地池谷が入る。右に焼山谷を見て進み、左岸の護岸壁の上を進むと大和谷ダムに辿りつく。10:05 こんな谷奥にダムがあるなんて、なんか不思議な感じやなぁ〜。小さなダムの左岸には、右と左に梯子が付けてあり、左の梯子はダム上を横断して右岸に降りれるみたいやけど、近いうちに、ロクロ谷を遡行する予定なんで、右の梯子に取り付き下に降りて、淵を泳いで右岸に渡る。振り返ると、ロクロ谷出合に落ちる10mが素晴らしい。9月の遡行予定にロクロ谷が加わったのは言うまでもないだろう。ザックを抱き込んで泳いでくる?わんこ君やけど、ミズスマシのように、同じところをくるくる回っていて、一向にこちら側にやってこない (^_^;) 飛び石のような感じで、小石を投げつけてみるが、相も変わらずジタバタジタバタしながら、くるくる回っている。こんな流れの無いところで泳げないっちゅうのは沢ヤとしては致命傷かな。しゃぁ〜ないなぁ〜、再び泳ぎ戻って、彼女にシュリンゲを?いで引っ張って泳ぐんやけど、片手で泳ぐのは疲れるわー (-_-;) この谷は、ヒルが多いって聞いていたけど、こんなカンカン照りの日にもヒル君が喰らい付いていた。私は2匹払い落としたけど、わんこ君にいたっては、3〜4匹にやられていました。
10:58発。大岩を乗り越えて行くと左から、4m、8mを架ける枝谷を迎えて、右にルンゼを見送ると右から脇谷が入る。11:52 ここで昼食とするが、浮かれ気味のわんこ君を見ていると、小雨がぱらつく。アメフラシの妖力は健在なり。12:18発。ここまでは何もないなぁ〜って退屈な感じやったけど、左から20mを落とす布引谷を見てから谷中の様子が変わる。広い釜の向こうにくの字の斜5m。釜を左からへつって滝を登って進むと、両岸が立つ中に立派な25m。おー、やっと出て来たなー。素晴らしい。13:02 滝の手前でお決まりのポーズを決めて右から巻き上がる。この巴滝は右から簡単に巻けて、垂れ下がっているロープも邪魔な感じで落口に立つ。13:23 少し進むと右から銚子谷が入る。ん?エアリアマップの巴滝の位置が間違ってるじゃん。

次のCS2mを左から巻くと、正面に見応えのある2段30mが落ちていて、その左横には細い7m。右奥には右から20mが飛沫をあげながら落ちている、谷中も開けていて、この光景は本当に素晴らしい。13:42 しつこく付きまとう虻に悩まされながらも、しばし休憩。正面の雌滝に見とれながら、進むべき右奥の雄滝の上が気になる。ここは、右から巻き上がると、すぐに壁が立っていて、右から壁を廻りこんで高巻いた方が無難かな?って考えたが、やっぱり左上して落口を狙うのじゃぁ〜 (^_^;) ロープを出して1ピッチ目は難なくクリアー。わんこ君を引き上げて次の2ピッチ目の途中が、ちと嫌―な感じ。クラックに右足を突っ込んで数メートルを登るが、アドレナリンが湧き出してスーパーサイヤ人になってしまう。 ^_^; 続くわんこ君も苦労していたのは言うまでもないですね。


さて、何とかここまで来たものの、この先は何処をどう登ればええんやろ?てな感じで、しばらくの間躊躇しているキンゴ教官でした。ここは空身になってスパっと切れ落ちた壁に乗り出すが、気持ちの良いものではない。再びスーパーサイヤ人になって気持ち悪い壁を数メートル登って、上のバンドに乗ってからザックを一人で引き上げるが、めっちゃ疲れるわ (――;) 喉がカラカラに渇いて一休みするが、そやそや、わんこ君を引っ張り上げなければならない。登って来いの合図を送ってすぐに「無理ですー」やて (^_^;)「ロープにぶら下がってでもええから登って来いー」って、怒鳴り返すスパルタ教官でした。ここから、少し左に進んで降りるとバッチリ落口やん。16:28 この巻きに2時間半もかかってしまった (^_^;) ほんまに渋い巻きやったわ。

滝上は穏やかな感じで、テン場を探しながら進む。16:45テン場着。もークタクタ。自然林だけのいい雰囲気の場所で、僕らはご機嫌 (^.^) 少し休憩したあと、薪集めにかかり、どっさりと集めるが、湿っていて火のつきが悪かった。薪を乾燥させながら焚き火を育てるキンゴであった。わんこ君の作ってくれたお鍋が最高に美味しくて、持ってきた花火を楽しんで盛り上がる。八つ墓村〜〜〜〜っておどけると、火傷したやん (^_^;)  でも、本当にHOTで楽しいひとときでした。線香花火のか弱い炎の中に未来が映っていた。

次の朝、5:20に目覚めるが2度寝を決め込んで起きたのが6:30。旨い朝食を頂いて出発。8:43 この時も、数発蹴りをお見舞いしたのは言うまでもないだろう。
少し進むと右から枝谷が入る。 8:55 左に進むと両岸立つ中で谷は曲がりくねって、斜2m、と釜と淵。ええ感じやん。右から釜を持つ7mの滝を架ける谷が入って私達はこの谷(キャラ沢)を進む。釜の中心部にだけ陽が射していて、エメラルドグリーンが神秘的。左から巻いて小滝をこなし右に小さなルンゼを見送ると、ごっついええテン場がある。正面には立派なクラが立つ。9:20
次の綺麗なトユ状斜L3mは気持ちの良い滑り台。童心に返って戯れる。右にルンゼを2本見て、ゴーロ帯を過ぎると左から枝谷。9:42 またまた右にルンゼを2本見送って行くと綺麗な斜L4m。10:10 次に斜3m、2m、2mを越えると二又。10:17
左股には20m。まだ出て来るとは少し驚きやけど、ええ感じやん (^^)ここは右に進んでちょびっと近道。小滝が連なって楽しませてくれる。ペットボトルに水を溜めて、ヘルメットを脱ぎ捨てて頭から浴びるシャワーは最高やね (^_-) わんこ君もご満悦?あとは、ひたすら詰めるだけ。わんこ君がすぐ後ろに付いて来るのは少し以外かな。大黒尾根に乗っかったのが11:16 1215m。

さてと、ここからは縦走モードに切り替えて黙々と縦走路を進むんやけど、しんどいぞぉ〜 (――;) P1258に11:50 展望はないがランチタイム。ホウキガ峰(12:47)を経て池小屋山到着。13:20 初めて来たけど、そないに感動する場所でもないなー。いい雰囲気の場所やけどね。
東に進んで、焼山尾根辺りで雨が降ってきて、アメフリャーと罵りながらやせ尾根を進んでP1332に14:27
ここから、小山伏の言葉を信じて南に伸びる尾根を拾うんやけど、大丈夫かな?南に進んでP1243に14:58。ここから少し南西に振って絶壁の上から西にトラバースして、再び南に進むとP982。地形図上には、壁記号が4本あって、ほんまにこんなところに下山路があるんかいなーと訝しく思うが、とりあえず東に向かって、一番上の壁記号の手前まで行くんやけど、急峻に落ちる尾根を見て、これは違うとP982まで引き返す。

さてと、どうしたもんかいな。西に伸びる緩やかそうな尾根を下ると、エアリアにある焼山谷右岸から左岸に渡っている破線の道に出るのではと思い西に下ると、すぐにモノレールが尾根を跨いでいた。16:24 ん?尾根を下っているのではなく、跨いでいる。うーん、しばし躊躇するが、モノレールに沿って進むことにするんやけど、これが大変な目に合わされるのよねー (^_^;) モノレールは藪の中に続いていて、我々も藪に突っ込むが、濃い藪の中で、進むこともままならず、モノレールは朽ち果てて跡形もなくなり、どないしたらええねん!やはり、このまま藪を漕いで、最初に狙った尾根に向かうしかないなと考えて、やけっぱち状態で東に進む。こみ上げて来るやり場の無い怒りが、身体を動かす唯一の源かな (^_^;) しばらく進むとポッカリとやせ尾根に飛び出して、その先で再びモノレールが現れる。木材の集積場の残骸にたどり着いて、そこからモノレール沿いに薄い踏み跡が続くのを見て一安心。ここまで、かなり不安気だったわんこ君にも笑顔が戻る。落ち葉で滑り易い踏み跡を下って、六丁峠に17:35。
ここから谷沿いの道に下って、谷床に着いた瞬間、ベストを脱ぎ捨てて釜に飛び込むキンゴであった。車のデポ地に着いたのが18:32。もークタクタですわ。わんこ君は「もー動けない」って、車の横で大の字になっている。かなりお疲れの様子です。でも、楽しかったよね (^_-)

本当に充実した山行になりました。ここはお勧めですわ。帰りに寄ったスメールで見た、夏の夜空に打ち上げられる花火も最高で、たぁ〜まや〜!さぁ〜わや〜!って叫んでました。今回は、趣のある遡行となり、大満足です (^_-)