【台高】蓮川・ヌタハラ谷
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記  めぐわんこ
2006年4月13日〜14日

【プロローグ】
転職した為、思わぬ2週間の休暇が取れたキンゴさんに平日沢のお誘いをかけてみる。
最初は、前夜発日帰りで良いかなと思っていたのですが、せっかく2日間休みが合うのならお泊り沢の方が楽しめるよとキンゴさんの助言で初めてのお泊り沢に挑戦。
行き先は以前から行きたかった蓮のヌタハラ谷に決定〜と言う事で今回初めての沢泊体験と相成りました。


【タイトル】沢泊初体験
【日程】平成18年4月13日〜4月14日
【場所】台高・蓮川・ヌタハラ谷
【メンバー】キンゴさん、めぐわんこ
【地図】七日市・大豆生(1/25000)


朝6時にキンゴさんにお迎えに来て頂く。今回1番気になるのはお天気。今日の予報では曇り後時々雨。いつ雨が降るのか分らない空模様の中、平日ですが車はそんなに混んでいなくて順調に進む。高見山のトンネルを越えると予想より空は明るい。途中の桜も中々綺麗でワクワク・ドキドキの初沢泊の始まりです。絵馬小屋谷の出合いよりさらに林道を進み林道が右にカーブする所に車をデポして沢支度。
泊り装備+食料で多分重さは12K位。いつもよりかなり体力を消耗するだろうなぁと思いながらも出発〜。
【1日目】4月13日(木)
【お天気】曇り後時々小雨


★ 入渓(9:30)⇒夫婦滝(11:30)
谷沿いの左岸の杣道を進み足元にトユ状5m・2段3mを見て谷へ降りて右岸へ渡渉。
次に出て来るトユ状ナメは釜を持っており、全体で5m程。右側をへつりにかかったが、岩がかぶり気味のところで荷物の重さの為、後ろ向きにバランスをくずしかけてもう少しでドボンするところだった。(^_^;)
重いものを持ったらバランスが取りにくいってこう言う事かぁ・・・と実感。
いくつかの滝を登ったり巻いたりして進むと、ちょっとしたゴーロ帯。その後に出て来る左側のルンゼ状のところから20m程の滝が落ちている。

暫く進むと岩間からの3条5m。右側から適当に巻いて進んで行くが、汗をたくさん掻いてしまったので着替えも兼ねて途中で10分程小休止(10:15〜10:25)

その後に出てくる赤い岩のナメ滝、その上の幅1m弱程の長さ10mトユ状のナメ滝は美しかった。このあたりの岩の色は赤いのが特色のようだ。右に15mを見て左へ進むと6m。右岸を登る。トラロープがあるが、古くなっていて危険。ただ、ガバが多いので頼らなくても登れる場所である。
その後斜5m・2条10mと連続でかかる滝。2条10mは左がトユ状で右が末広がりで中々のものです。5mは滝の左側、10mは滝の右側の岩を登る。今日は、どの滝を登るのも結構濡れ鼠。以前この谷に来たキンゴさん曰く今日は大変水量が多いらしいです。

右側に自然林を見て左側に20mをかけた支流を見る。来る時期が早すぎたので木々は枯れた感じだが、新緑の頃に来ていたら美しい谷なんだろうなぁと思う。最初は、曇っていたお天気も時折薄日が差したりして結構大丈夫。

その後もいくつかの滝を越えたり巻いたりしながら進んで行く。左に支流を見た後、連漠帯の様な場所を過ぎるとついに出会えました。この谷1番の大滝である夫婦滝です。
ここで写真撮影なども兼ねて一旦休憩です。

★ 夫婦滝(11:40)⇒高巻き終了(13:30)
下から見える部分は20m程なのでそんなに大きくは見えないのだが、上の段は70m程あるらしい。
さて、この滝の巻きであるが、右側支流のガレをまず登って標高を上げて巻く。この谷地形、登るに従って急になっている。ずーっと上の自然林から植林に変わる境にはっきりした杣道があり上段の滝が見える場所に近付く。

巻きの途中なのですが、夫婦滝の上段がせっかく見えているので腰を降ろせる広さのところでセルフビレイを取ってお昼休憩。(12:30〜13:00)谷からは見えてなかった部分が70〜80m位ありそうなので全体の合計100m近い滝を横から眺めながらの贅沢なお昼休憩でした。(^^)
休憩後消えたり出たりする踏み跡を辿りながらさらにガラ場を進み途中の植林帯でトラバースしてさらに進んで行って高巻きを終了した。谷床に降りて夫婦滝の落ち口を確かめに行くが1つ先の滝まで高巻き過ぎたみたいで確認は出来なかった。ここで再び小休止。(10分休憩)

★ 高巻き修了後(13:40)⇒テン場(16:10)
休憩後再び遡行開始。しばらくゴーロ帯が続く。今日は、数日来の雨のせいで水量もかなり多く岩間の滝が連続する。岩の乗っ越しが谷中泊+食料の重荷を担いでいるので結構しんどいし、心なしかキンゴさんのスピードがアップしているようで見失わない様に付いていくのも大変。

さっきの夫婦滝の高巻きよりも体力消耗。体が小さい私はゴーロ帯はやはりしんどいです。
斜滝・トユ状・2条で計10m程の滝・その後も5〜7・8m程の登れる滝が連続する。
水量が多いので濡れ鼠になりながらもこのあたりはご機嫌の場所です。

このあたりだったと思うのですが、6〜7m程の滝での事。滝の途中までは簡単に登れますが、あまりの水量の多さの為、ホールドがほとんど見えない状態になっている。

キンゴさんが先に行って私もその後に続くが、キンゴさんが登り切った所で私には無理だと判断したみたいでザイル出すから待っといてと言われる。途中まで登ってしまったので、戻るのも大変だったので、なるべく水のかからない所で待つが、これが結構寒かった。

しばらく待つとザイルが降りて来たのでハーネスのカラビナに結びトップロープ状態で登って行く。帰ってからですが、あの水量でホールドも全然見えない状態で登るのは無謀だとちょっとお叱りを受ける。(^_^;)(15:10)
この頃だろうか大した雨量ではないが、小雨がぽつぽつと降り出す。天気予報の通りなのですが、雨雲を呼ぶ女の異名は益々高まった様です。

この後も斜8mは直登、末広がりの10mは右から巻いてトユ状のくねくねと曲がった滝・続いて出て来る8mの滝も左側を直登。斜滝風のナメが3・3・3mと続く。
その後にお待ちかねの不動滝が登場する。全体で50m位?今日は、水量が大変多くって上から凄い勢いで落ちてくる様は中々の迫力です。思わず感嘆の声が出てしまいます。
ここでも写真撮影を兼ねて一旦休憩(10分)

この滝は右の斜面から巻き上がって行く。滑りやすいザレ場を登って行くがその内に仕事道に出て来て落ち口近くにぴったりと降りてくる。落ち口でキンゴさんにビールマンスピンを要求するが、これもタイミングが悪くって却下される。

暫く行くとトユ状ナメ15m。この中を突き進んで行くと右側に絶好のテン場が現れる。
今日は、ここで終了〜と言う事で小雨も結構降っているのでとりあえずテントを張って沢装備をはずしてテントの中で暫く雨が止むのを待つ事となる。

★ テン場にて
5時過ぎだろうか雨がやんで来た。1時間弱位テントの中で過ごした訳ですが、結構濡れてしまったので予想通り寒くてたまらない。キンゴさんが焚き火を起こしに行って下さる。私もコ―○ンで買った380円ヤッケに着替えて外に食事の用意を兼ねて焚き火の様子を見に行く。

今日は、薪が良いのがあまり見つからないのと数時間前からの雨の為、しけているので大変そう。
食事の用意が済む頃豪快ではないが焚き火が燃え上がっている。
今回の沢泊の目的の一つは沢中での焚き火って言う事もあったので小1時間かけて焚き火を起こして下さったみたいです。すごく暖かくなって、感謝・感謝です。(^_^)

この時焚き火を見に行ってからすぐの出来事。
キンゴさん「火の粉が飛ぶからレインウェアから380円ヤッケに着替えた?」
私「もう着替えました。」
キンゴさん「僕も着替えて来るわ」と言ってテントに戻る。
でも、ヤッケがどこにもないらしい。この時は結局忘れたのだろうと言う事で片付いたのですが、実は私がとんでもない事をしていた様です。(^_^;)

さて、夕食タイム。今日のメニューは、鶏のつみれがメインのお鍋とビールのおつまみにちくわにきゅうりを詰めたもの。ご飯は今回炊かなかったので、仕上げにおうどん。初めての食当、おいしく出来たかなぁ?

お天気の方も雨はすっかりやんでお月様まで出ている。空を見上げると星も見えた。沢の流れの音が優しく包み、焚き火の明かりはとても心を落ち着かせてくれた。

自然の中にとけ込んだようでとても居心地が良く中々良い雰囲気である。焚き火の方は、時折パチッと音を上げたかと思うと火の粉が蛍の様な感じで飛んで行く。う〜ん、何かこう言う世界もあったのかぁと言う感じで静かな空間を楽しむ。取りとめもない会話をしながら夜は更けて行く。明日の朝も早いので11時過ぎ頃テントに戻り就寝。zzz・・・


【2日目】4月14日(金)
【お天気】曇り後時々晴れ

6時起床。標高が1000mを越えている所まで来ているので朝方はかなり寒い。テン場のすぐ近くには雪渓も残っている。キンゴさんも目が覚めている様だ。昨年とはうって変わって最近は朝すんなり起きているのが不思議。

焚き火をおこしにキンゴさんが出て行く。私も外に出ようと思って例のヤッケを手に取る。昨夜は暗かったので何も感じなかったのだが、よくよく見ると今回使うのが初めてにしては焚き火で出来た穴がたくさんあいているし、所々破れていたりなんかして結構ヨレヨレである。サイズを確かめてみるとLLサイズ(@_@;)。私のはMサイズだったはず。どうやら同じ色のヤッケだったので昨夜はずっと間違って着ていたようです。で、私のはと言うと何とザックの下敷きになっていました。(^_^;)
キンゴさんには、「やっぱり・・・何かやたらでかいのん着てると思ったわ。」と怒られる。

この後、昨夜の残り物でおうどんを作って、コーヒーを飲んだりしてゆっくりと朝のひと時を楽しむが、余りにもゆっくりしすぎて結局9時半過ぎ位の出発になってしまった。
今回は、ピークまであと300m程なので時間に余裕があるのでゆっくりしましたが、通常は起きてから1時間〜1時間半位で用意して出発らしいです。


★ テン場(9:40)⇒遡行終了(11:25)
ここから先は、悪場もないらしい。ゴーロ帯の様な所をなんなく通過。右から枝谷が入る所を左に行くと小滝の連続。ここも快適に通過。ナメ滝を過ぎると二股に出る。ここは、左股へ。

すぐに連爆帯に遭遇。2mほどの滝はそのまま登って5m程の滝は左隅のズルズルの斜面を登るのだが、届く範囲でつかむ所が全くない。足も届かないので私の身長ではちょっと乗り越せない。もう一人メンバーが居ればショルダーでって感じなのですが・・・

暫く頑張ってましたが最初の一歩がどうにもならないので先に行っているキンゴさんに助けを求める。ただ、途中でシュリンゲを出せる場所でもないので、結局登りきった場所からロープを出してもらう。一歩だけの為に何だか悔しいなぁ。その後もすぐに8m・10mと連なるがここは、左側から行ったという記憶以外はどう言う風に行ったのか忘れてしまいましたが、滝の落ち口に無事到着して小休止。
ここからは平流が続き源流の雰囲気。左に枝谷を見るが雪渓で埋まっている。その後すぐに左側に20m(アザミ滝?)を見たところで遡行は終了する。
キンゴさんの話ではここから右のガレ場の斜面を登ってピークを目指すらしいですが、ここからの詰めが結構しんどいらしいのでここで大休止をとる。(11:25〜11:50)
ここから先は水場がないらしいので出発前に水を汲んでおく。

★ 詰め開始(11:50)⇒桧塚奥峰(12:20)⇒桧塚(12:45)
ピークを目指してガラ場を登って行く。結構急でしんどいかな。頑張って登って行くと草原状のところに出て来る(12:05)。
眺めも良いし、お天気も良いしで最高。ちょっと明神平に似た雰囲気。でも、以前石ヶ平谷へ行った時の明神平は着くなりスコールの様な大雨にあってしまい眺望も何もなかった。
今日は晴れていて気持ちが良いので草原から見える山々の稜線を楽しむ。この笹原を右方向にさらに進んで行くのだが、これが結構しんどい。途中で1回足がつりそうになってしまったが、桧塚奥峰のピークに無事到着。写真撮影と水分補給の為の小休止を済ませて出発。今日はさらに桧塚ピークも目指す。尾根を東方向に進んでいって約20分で到着。ここでお昼休憩とする。お湯を沸かしてもらってパンとコーヒーで昼食を済ませる。
ここからは、赤テープに従って下山を開始するのだが、登山道とはっきり示されたテープも巻いてあり、下山は迷う事がなさそうだ。

★ 下山開始(13:25)⇒林道到着(14:50)⇒デポ地(15:40)
林道を目指してどんどん下って行く・・・と言いたい所ですが、タラの芽を採ったり、小動物を追いかけてその巣などを見つけて結構遊びながら下って行く。林道に無事到着したのが14:50。
林道の終点辺りからは、夫婦滝の全体が見渡せるのでそれを眺めながら休憩をとる。(20分)

ここでも下の斜面に降りてタラの芽を沢山採ったりして楽しんだ後林道をどんどん下って行き車のデポ地に無事到着。車のワイパーの所に何やらメモが挟まっている。今日、奥の平のサスケ滝迄の遡行を楽しんでいたりんご畑さんが様子を見に来がてら林道の終点まで迎えに来てくれていた様だが、待ち切れなくて帰ったらしい。りんごさんとも暫く会っていなかったので会えなくて残念。2日目は、時間に余裕が有り過ぎたので帰りに少し遊び過ぎたようです。


【エピローグ】
帰りは例の如くスメールに寄ってお風呂に入る。蓮周辺は丁度この時、桜が満開の時期だったので、お風呂の後はお花見も楽しむ事が出来ました。(^^)v
さて、タラの芽ですが、その後どうなったのかと言うといつものごとくきたろうの堺市民に召集をかけて例の如くたこやき亭で皆で天ぷらを楽しみました。今年は、3月のアマゴとふきのとうに続き春の味に不自由しない私です。
今回初めての沢泊・・・希望の谷への入渓を叶えてくれた上に往復の運転と執念の焚き火起し。帰りはお花見にタラの芽の天ぷらと2日間たっぷりと楽しませてくれたキンゴ教官に感謝です。有難うございました。<(_ _)>
沢の中の焚き火が病みつきになりそうな私・・・又、しごきの程よろしくお願いしますね。(^_-)-☆