【大峰】高津川・北谷
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2006年3月5日

今年は、春の訪れが少し早いみたい。南面の谷はさぞや暖かいだろうと心躍らせる。
なつ、たこやき、小山伏と順番に拾って、R168を南に進むキンゴ号だが、何故だか天川高野線に入ってしまい、3km程進んでから、やっぱり違うと慌てて戻る。後部座席では爆睡している小山伏とたこやき。助手席のなつは起きていたが何の違和感もなかったみたいです。道を間違った自分自身に呆れながらキンゴ号は出合いに向う。

【タイトル】ささやかなバースデー
【メンバー】小山伏、たこやき、なつ、キンゴ
【日程】2006年3月4日夜発〜5日
【天気】快晴
【場所】大峰 高津川・北谷
【地図】風屋(1/25000)

出合いから見上げる星空は、眩いばかりに輝いていて、寒いのも忘れて見とれてしまう。
季節外れの流れ星に願い事を託したいが、3回唱えるどころか1回も唱えられないのは、いつものことかな。たこやきさんのでかいテントを張り、短い時間だがいつものように宴会を楽しむ。小山伏の誕生日を祝ってケーキも出てくるが、ビールとの相性はいまひとつかな。笑い声の絶えないテントの中にも就寝時間は訪れる・・・・・おやすみなさい。

翌朝、5時50分に目が覚めて皆を起こすが、中々起きてくれない。いつもなら、このまま2度寝を決め込むところだが、今日はそう言うわけにはいかない。って書けば格好が良いのだけれども、実のところは嫌な夢を見て目が覚めて、薄暗いテントの中を見廻してから、それが夢だと理解できてほっとするチキンハートのキンゴであった。

支度を整えて7:00出発。高津川の左岸には明瞭な踏み跡があるのでそれを辿るが、途中で河原に出てしまい、再び踏み跡を拾って北谷出合にある小屋跡に到着 7:30
あとのメンバーは途中から谷中を進んで来ているみたいで、少し時間がかかっている。皆が揃ったところでティータイム。氷柱や残雪を見て上の状態を心配するが、雲ひとつない快晴に気分良し。中々お湯が沸かないのは寒いからなのかな。

出合からは少し両岸が立ち、釜を持った2m。その先の淵は左からトライするが、やはり淵に降りなければ無理みたい。小山伏が少し戻って右から登って巻いたのでそれに続くが、なつは腰まで浸かってクリアー。淵に浸かって突破するほどには、私は若くない。
左に枝谷、右にルンゼを見送って、くねくね曲がる谷の中で釜と斜L2mを越えて行くと、その先に立派な10mが行く手を塞ぐ。8:40 この滝は左から巻いて進むが、この先の何もない河原で乗っかった大きな石がぐらりと動き、バランスを崩した私はまともにひっくり返ってしまう。後ろになつがいたので、痛いのを堪えながら笑って見せたが、おそらく引き攣った笑顔になっていたように思います。

右に、枝谷とルンゼを見て、CS2mを越えて行くと、左に枝谷が入る。9:20 このあたりは穏やかな感じ所だが、右にガレたルンゼを見送った先から再び両岸が立ち、ゴルジュの中の釜に浸かって進むと谷は左に折れて水量豊かな8mが架かる。9:30 滝のすぐ手前の大きな岩に乗り上げると滝のすべてが見て取れるが、その大きな岩にもたれかかる谷中のオブジェのような倒木が、昨年の3月に来た時と全く同じ位置にあって、昨年は写真を撮るのに邪魔だなぁ〜って感じたけれども、今年はその倒木の存在感なんかを感じたりもする。本当に必要で無いものは、大きな岩の上でピースサインのポーズをしながら写真に写っている人間様なのかも知れないなぁ。左岸に見られる氷柱にも寒さを感じないのは、この谷の遡行が楽しいからであろう。ここは左から巻き上がるが、何故かザックに大きな氷柱を背負っているなつを見て、涙ぐんでしまう。「それはバナナじゃないよ」って、何度言っても聞かないお猿さんの意固地な態度がいじらしい。巻いて行く途中に入る急傾斜なルンゼを下ると、谷床に降りれるんやけど、次のCS滝を越えられないので私はパスするが、小山伏はそこを下って、CS滝手前の左岸のスラブをトラバースして見事にクリアーしたみたい。私達はそのまま巻き進んでCS滝の上に降り立っって、小屋跡があるのどかな場所で、しばし休憩。10:06 20分程春の暖かさを楽しんだ後、出発。

6m滝2本を架ける枝谷を左に見て進み、3mを越えると綺麗な末広がりの5mが架かる所から両壁が立って、その奥に6mが落ちる。ここは左から巻くが、小山伏&なつは落口にトラバース、私とたこやきさんは少し上から落口に懸垂で降りる。谷は右に折れて、左にガレを見て右に入るルンゼの先から斜爆が連なり我々を有頂天にさせる。斜L4m、斜L7m、小さな釜、斜L7m、斜2段8m。滝横が階段状で気持ち良く登って行ける。11:06 陽あたりが良い中を、1m、多段5mを超えて開けたゴーロ帯を進むが、雲ひとつ無い青空に気分良し。所々に残る真っ白な雪と氷を避けながら進み、右に枝谷を見て、岩間の7mを越えてガレたルンゼを右に見送ると、開けた場所に水飛沫をあげる立派な2段40mが優雅に構えている。11:25 うわー、すごーい。上段は真っ白な光の帯のような直爆となり、段打つ下は簾状にキラキラと舞い落ちていて、太陽の光を真正面から受けて光り輝くこの滝を見ては、唸らずにはいられない。浅い釜を覆う綿のような雪も趣があっていいですね。大滝の下の日溜りの中で30分程休憩するが、時折水飛沫の中を落ちて来る氷の塊が刺激的で、スプリング・ハズ・カム!ってな気分ですよね。

この大滝は、左のガレからもろい壁に取り付いて、その上のガレを登って落口に出るんやけど、少し怖いところもあるかもね。 12:14 落口から見える景色は、私達が戯れていた谷筋と、遥か向こうに連なる稜線と、Vサインをしている強張った笑顔のお猿さん。大滝の上は穏やかな感じで、気の早い蝶々がひらひらと舞っていたのには少し驚きました。
少し感激して、「蝶々が飛んでたよ」って、なつに伝えると「それって、蛾じゃないんですかー」って、なんと可愛く無い奴でしょうか。

左に枝谷を見て、斜L5m、斜L3m、釜、3mを越えて、次の小滝3連発を、氷をハンマーで割りながら登り、7mは左から藪を漕いで巻く。13:05 3mを越えると、立派な15mが現れて、左のガレを登って右の壁下を斜上するが、ロープがあったほうがいいかもね。この先で谷は廊下状となり、右に小滝を架ける枝谷を見て廊下を抜けると源流部の雰囲気で、8m、4mを右から藪を漕いで巻いて行き、いくつもの綺麗な小滝を越えて行くと最後には素晴らしい源流部となり、気持ちの落ち着くこの場所で記念撮影。なだらかな斜面を詰め上がって稜線着が14:25 風も無く、天気は最高で気分はいいかな。
ここから10分で中八人山のピーク。藪は濃いけれど、この辺りのなだらかな山の相に私はご機嫌です。15分程休憩して南に進むが、時期的なものもあるのだろうけれど、この辺りの藪漕ぎもさしては苦にならず、南八人山のピークに15:08 所々に展望地が配置されていて(人工的なものではないですよ)またいつか、来てもいいかなって思います。

南八人山から南に向かうと、南東に伸びる尾根に乗っかるので、獣道を拾って北西に進路変更して南西に伸びる尾根を目指すが、一応念の為にピークに少し戻ると明瞭な踏み跡があって、その道を進むとご機嫌な展望台に出る。うん、いい場所だ。ここから明瞭な道を下ると植林帯となり、トラバース道を伝うとモノレールに遭遇する。15:34 
はは、下山が今回の核心かなーって思ってたんやけど、もう簡単に降りれそうだね。モノレールを伝って、あまり信用も出来そうに無い金網の橋を渡ったりしながら、高津川の谷床に16:52 朝には河原を覆っていた雪も溶けて無くなっていて、左岸につけられた道を下り、高津川の出合に17:18 

たーっぷりと、一日遊べて大満足です。予想以上にイイ谷でした。今日の遡行は、小山伏へのバースデープレゼントです。昨年よりも賑やかで良かったでしょ。(^_-)