【南紀】熊野川 白見谷・第一支流(ナキコ谷)
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2006年2月12日

はしゃぎ過ぎた夜の翌朝は起きるのがツライ (--;)
キンゴはもぞもぞと起き出して、焚き火を興して一服。いつもの事ながら、時間がゆっくりと流れているように感じる谷中の朝は、清々しくて心地良い。このままいつまでも、ぼーっとしていたいんやけど、そうもいかない。なつが作ってくれた美味しいおじやに舌鼓を打ちながら4杯も食べてしまった (^_^;) 食後のコーヒーを楽しんだ後、支度にとりかかる。私のサンパチヤッケより少し高級なゴッパチヤッケが、なつのお気に入りかな?春うららかな朝に誰もが心も表情も穏やか (^^)

【タイトル】モンキーマジック
【メンバー】小山伏、なつ、キンゴ
【日程】  2006年2月12日
【天気】  快晴一時粉雪
【場所】  南紀 熊野川・白見谷第一支流(ナキコ谷)
【地図】  大里(二万五千分の一)

♪ボーンフロムアン、エッグオンナ、マウンテントップ!♪
今回の遡行のイメージは、3匹の孫悟空が天竺を目指して南紀の谷を我侭に遡行するっちゅう感じなんやけど・・・・・・はたしてどうなることやら (^_^;)
蚊取金吾でっす! なつ目アチャ子でーす (~o~) うぅ〜ん・・・やっぱり小山伏ですぅ〜 (^^ゞ 猪八戒+沙悟浄÷2=BAKUは、いない。さて、南遊記の始まり始まりぃ〜〜〜 (^^) 9:23出発

右岸のテン場から左岸に渡って、第一支流(ナキコ谷)の出合に架かる斜5m、斜6m、斜10mのスラブ3連爆を右から越えて行くとゴーロ帯となって途中で道が横切る 9:40 左岸に小屋跡を見てCS2mを越えると二又 9:52 左に進んで2mを越えて右上にスラブ壁を見ながら岩間の滝をいくつか越えて行くと、ポッカリと開けた所で谷は直角に右に折れて素晴らしいスラブ滝30mがどっしりと構えている。「うわぁ〜〜凄ぉ〜〜〜い!」目の前には、幅が100m以上はあろうかと思われるスラブ壁が立ち塞がる。広い空、広い壁、もう最高!10:30 昨日の左叉遡行の下山路にある鉄塔の広場から見えていた大滝と壁がここなんや。とりあえず、あそこまで行こうと言っていた昨日が今日と重なって妙な気分。幸せな気分に浸りながら、ここは何処?私は何処?って問いかける。それくらいに幸せな気分になれるところです (^_-) スクリーンのような水流が、キラキラと輝きながらスローモーションのように流れ落ちている。ほんまに来て良かった!
しばらくここで休憩するが、「ほなそろそろ行こか」と言う小山伏に「えぇ〜、もう行くのぉ〜」って中々息の合った夏金コンビ (^^ゞ 立ち去り難いのよねぇ〜 (^_^;) 延長料金も払わずに、たっぷりと楽しんだ後、右から巻きにかかる。簡単に右から巻けるような感じのところやったんやけど、そうは問屋が卸してくれなかった。巻き始めるとすぐに壁が立ち塞がり、右に廻りこみながら登って行く。ここを無理して取り付けば行けるかもってなところもあったが、もう少し廻り込んで上の様子を見ようと思いながら登ると、下から「ここ行けるんじゃないですかー」って中々気の合うお猿さん (~_~;) 小山伏がそのまま右上に斜上して行き、私は小さなバンドを拾って左に進んで落口を狙うが、スッパリと切れ落ちていて、やむなく上に追い上げられる。それでもなんとか壁を廻り込んで谷中が覗けるところに出ると、まだ水流がスラブ壁を滑り落ちている。うわっ!何やこれ!まだ滝の途中なんか!違う、見事な斜爆20mがすぐ上にあるんや。ちと興奮してきたぞ!
「行けるんですかー」と、なつの声。「降りれるんかぁ〜」と、さらに上にいる小山伏。「うぅ〜ん、何とかなると思うわー」って答えてから偵察に下ってみる。傾斜はきついけど、ずり落ちても立木で止まる (~_~;) 落口には何とか降りれそうやけど、その上の斜爆には手も足も出ない。さらに斜爆の上の左岸は巨大なすり鉢状のスラブ壁となっていて、あっけにとられる。あかん!「上から行ったら降りられへんぞぉ〜、こっちやぁ〜」壁の上にいる小山伏に叫ぶ。降りようか、戻ろうかと考えていると「キンゴさぁ〜ん、ここはどーですかぁ〜」って、なつの声。こいつ・・・自分で進んどるがな。普通やったら待ってるやろうに・・・・・おもろいやっちゃ。なつがいる所まで登り返して先を見るが、ここのトラバースはちと無理かな。もう一段登って懸垂で谷床に降りるしか手はなさそうや。「懸垂で降りるでぇ〜!」小山伏に叫ぶと「降りてあかんかったら、どないすんねぇ〜ん!」と小山伏。「右岸が何とかなるやろー」って答えると「よっしゃぁ〜!行けぇ〜キンゴ〜」やて (^_^;) ザックの中からロープを出そうとするが・・・・無い。そやそや、ロープは1本でええわって車に置いてきたんやった (^^ゞ 小山伏のロープを受け取って懸垂下降。11:27 降りる途中で右を見ると、心も身体も空中庭園。見事なスラブ壁の下で谷は直角に左に折れて、そこから、斜L10m、斜L15m、斜20mの超素晴らしいスラブ滝3連爆。本当に凄い!思わず歓声をあげるが、あとはもう笑うだけ (^^) 言葉でも、写真でも、伝える事が出来ない素晴らしさに、みんな魅せられるんだろうな (^^ゞ
気分はウキウキ、心臓はドキドキ、笑い声はウッキッキ・・・・まるで猿やん (--;)
1本目は真中を直登。2本目は小山伏が右から登って嫌らしそうなトラバース。なつも続くが私は斛斗雲に乗って左から巻き上がって3本目の上に立つ。12:03 巻いてる途中で、細い立木を命綱にしているなつを見て、「女は度胸〜!」ってエールを送ると、「度胸出して、滑ったら終わりじゃないですかぁ〜!」って怒られちゃった ^_^; 末はミ〜ヨンかたこやきか!なつの未来に恐れおののくキンゴであった (~_~;) 言葉が丁寧なところはミ〜ヨン系かな?たこやきはストレートやからな (^_^;) って、なんのこっちゃ。

3連爆の上の気持ちの良いナメ床をヒタヒタ進み、左にルンゼを見てスラブ滝6mを左から登るとすぐにスラブ斜2m、斜L8m、斜15m。もう笑いが止まらん!おいおい、こんなんありかよー。この先もまた素晴らしいナメ床が続き、満面の笑みを浮かべながら進んでいると、暖かい春の谷中に粉雪が舞い落ちてきて趣がある。12:21 この先で谷は緩やかに右にカーブして斜L20m、斜L40m。・・・・こんなんありえへん!(@_@)
さらに、斜L8m、斜3mを快適に乗り越えて右に斜L20mを架ける枝谷を過ぎると二又に到着 12:29 左叉には斜10mが架かる。下山路を第1支流と第2支流の間の尾根を下る予定にしてたから、ここは左を詰め上がるほうが早く下山出来るんやけど「どうする?」って小山伏に聞かれて「もちろん、右やろ」 (^_-) これほどまでに我々を楽しませてくれたこの谷やから、最後まで付き合ってやろうやないの!ってな気分になるのは当然やね。

二又から先は、何も無いやろーって思ったんやけど、すぐに斜L30m、斜L20m、と、まだまだ出てくる。ギャハハハハ、まだ出てくるぞー (^○^) 微妙な傾斜を直登して進むが、一体このナメ床はどこまで続くんやろか (^_^;) 予想もしなかったこの展開に僕らはご機嫌 (^^) さらにナメ滝を越えて行くと、斜L7m、斜2m、斜20m、斜50m、お次の30mは右から巻いて落口に 13:07 675m こんなん書いても誰も信じてはくれないかもしれないが、連続するナメ滝に、私達はこみ上げて来る笑いを押さえる事が出来ないくらいに素晴らしい谷である。斜15m、4m、5mと続いた後に微妙な斜度の60m。ところどころ水面が凍っていて、氷の下を水が流れている。足を滑らせれば下まで持って行かれるやろうけど、右にも左にも逃げれるので気分は楽かな。どこまでも続くナメ床を堪能したあと、少し詰め上がるとP816 13:52 稜線直下までナメ床やったなぁ〜 (^o^) 西から吹き上げる風を嫌って私は大木の窪みに身体を潜らせてしばし休憩。南紀の日帰りの谷で、立間戸よりも面白いところがあったとは・・・ (@_@)

ピークから稜線を少し南に進み、東に伸びる支尾根を拾って第一支流の出合近くに下る。行きしなに見た、谷を横切る道があった場所の谷床に戻ったのが15:00 そこから本流の左岸に付けられた踏み跡を下って国道に出たのが15:25 そこから車まで3分。帰りに熊野川温泉で疲れた身体を癒して帰路につく。天竺までの道のりは、どこまでも続く気持ちの良いナメ床で、3匹の孫悟空は大満足 (^^) 白見谷を縦横無尽に遊び尽くしましたとさ。

今は2月。卒業の頃でもある。
卒業証書の変わりに、ぬりかべのストラップをなつにあげる。小山伏には・・・ん?小山伏には・・・・えーと、そやなぁ〜、うぅ〜ん、どないしょぉーかなー、・・・・・・おっ!そや!今年は、小山伏を叩き潰す!・・・・これで行こうっと! (^_-)