【大峰】上多古川・矢納谷
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記  めぐわんこ
2005年7月24日

【プロローグ】
今回は、株式会社きたろうの記念すべき第1回初心者の為の沢登り教室である。
前夜、噂の秘密基地と呼ばれる地下駐車場にて社員、及び顧問が一同に集まった中でたこやき社長に連れて来られた私は自己紹介を済ませ、親睦を兼ねた宴会に参加したのであった。
が、この時点で既に妖怪大集合の雰囲気が…
しまった!と思ったが、もう引き返せないのでありました。
明朝は、早起きしないといけないのだが、宴は午前2時半位まで続いたのでありました。


【タイトル】株式会社 きたろう 第1回初心者の為の沢登り(オールスター勢揃い)
【サブタイトル】妖怪大戦争?
【日程】平成17年7月24日(前夜発)
【場所】大峰・上多古川・矢納谷
【メンバー】小山伏さん、obaさん、KUROさん、キンゴさん
      たこやきさん、BAKUさん、ごましおさん
      なっちゃん、りんご畑さん、中野さん
      めぐわんこ
【お天気】曇り
【地図】洞川・弥山(1/25000)


翌朝6時に起床。ゆっくりと朝食等を取って地下駐車場を出発。
上多古川沿いの林道を車3台で進む。1台を途中に止めておいて2台に分乗して林道終点まで進む。ここの林道はとても荒れているので通行時は四駆で車高の高い車が必要だ。

★ 入渓(7:55)⇒昇竜ノ滝下(9:50)
身支度の後、二手に分かれて入渓。
今回特に私の教育係を担当しなくていい顧問である小山伏さんやりんご畑さん達ベテラン組はもう少し下流の方から入渓する。社長・中堅組・私は、下流から来る顧問達を横目に出合いの小橋を渡り適当に入渓する。

入渓して小滝を越えて間もなくこの谷の名の元である矢納滝。
本格的な滝を間近に見るのは初めてだ。やっぱり、豪快〜!思わずVサインで写真を撮る。
このあたりで下流の出発組みとも合流した。

階段状の小滝をいくつかこなして行った後、ゴーロ帯?にでる。
持って来た遡行図で位置の確認をしてみる。(この頃は、まだ余裕あり?)
キンゴさんやたこやきさんから「初めてとは思われんなぁ、本当は2〜3回位行ってるん違うか」とか「やっぱりお父さんの血をひいてるんかな」とか言われて少し気を良くしたのでありました。

その後、再び滝が続き岩と倒木の間を登ったりくぐったりキンゴさんが差し出すシュリンゲ様のお世話になりながら何とか皆に着いて行く。

二日酔いで最初調子が悪かった中野さんも沢の水で二日酔いが治ってきたのかガンガン行く様になって来た。沢はまだ4回目だとお聞きしてたが、やはり長年山とお付き合いのある方は、基本が出来ているなぁと思いました。
再度大きな岩のゴーロ帯がある。谷は、急傾斜になり高度を増して行く。
ゴーロ帯を超えた後は10M・15Mと少し大きめの滝が2つ続く。

ここは、確か巻き道を使って登っていったと思います。でも、ベテラン組は直接登って行ったような気が・・・本当にスパイダーマンの様な人達だ。
その後、昇竜ノ滝下に着く少し手前位に泳げる程度の釜を持った滝がありその前で一旦休憩する。

休憩のついでにここであまり泳げないなっちゃんと私で水泳の練習。気持ちい〜い!
あまり泳げない事を忘れて水と戯れる。

その後、穏やかな河原の様なところを歩いて行くとついに出会えました。昇竜の滝!!
本日、2つ目の名前を知っている滝です。
う〜ん、そう言えば細くって竜が昇って行く様な形をしているなぁ。



★ 昇竜ノ滝下(9:50)⇒赤ナメクチキノ滝下(11:25)
昇竜ノ滝を大きく巻いたあと、滝口の大きな岩床の上で休憩をとる。
休憩後再び遡行開始。暫くは、穏やかな感じでゆっくりと進む。

そうこうしている内に釜にワイヤーの張ってある滝に着くが、ここは遊ばずに巻いて行ったのかな?
その後、大きな釜を持った5〜6M位の滝に遭遇する。キンゴさんとなっちゃんは左側をへつって行きそのまま直登。元気な人達だ。私達は又、巻いて行く。

この後位から、ワイヤーが谷の中を連なって行く様にある。これが無けりゃもっといい雰囲気なんだけどなぁ…と思う。
でも、バランスが取れない時にちゃっかりこのワイヤーのお世話になってしまった。

その後、又、右手に大きな滝が見えたが、これは、支流の滝らしい。
左に折れて進む。この頃から岩盤が赤っぽくなってくる。
3つ目の名前を知っている滝、赤ナメクチキノ滝が近いと思われる。

★ 赤ナメクチキノ滝下(11:25)⇒コウリン滝下(12:45)
赤ナメクチキノ滝下に到着。今日は曇っているが晴れていたら反射してきっと綺麗なんだろうな。まずは、二本の斜めの滝のあたりを自分から見て右側をシュリンゲを出してもらって登る。

この後、一旦小休止しながら、ごましおさんのカメラで全員バンダナショット。
私にとっては、初バンダナショットである。

その後は赤ナメクチキノ滝の後半の30Mはあろうかと思う滝を見上げる。
ここは、当然巻くのかなと思っていたら、滝の左岸を小山伏さん・右岸をキンゴさんが登り始めた。(落ちたらしぬでぇ〜)と思わず心の中で思ってしまった。
二人とも手足に吸盤でも付いてるのかしらん。それともやっぱり妖怪・・・?

登っている二人の姿を見て触発されたのか巻き道を探しに行ったはずのりんご畑さんが戻ってきて小山伏さんと同じルートを登り始める。
りんご畑さんは、お猿さんの様にすばしっこい人だ。左岸ルートの二人はこの滝を見事登り切ったのでありました。
その様子を後ろから登って来た別パーティーの二人組があっけに取られて見物していた。

その間にキンゴさんがザイルを確保できそうな木に辿り着きザイルの準備を始める。
私自身は、どうやって登るのかなぁ。誰かに付き添ってもらって巻くのかなと思っていた所「わんこさーん」とたこやき社長のお声がかり。
(ひぇーやっぱり登るのね)と一瞬思いましたが、誰かが登ったと言う事は自分も登れる可能性はあるんだし、ましてや確保してもらって登るんだからと思い切ってよじ登って行く。

本日始めてのザイルワークになります。
この時は、確か吊り上げられるような形式で自分自身は手も足もフルに使って登って行ったと記憶しています。
こういうのって上で引っ張ってくれる人を信用しないと登れないなぁとつくづく思いました。だから沢って気心を知っていると言うかどんな人と行くって事を知っているのは大事なんだろうなぁと思ってしまった。まぁ、気心が知れても私には誰も引っ張って欲しく無いだろうけど^_^;

中間地点まではこんな感じで、残り半分はブルージックで登り切りました。やれやれ。
そんなこんなでザイルワークをしたのでここでは結構時間が掛かりました。
何とか赤ナメクチキノ滝を突破するが、まだお目当ての滝が一つ残っている。
そうコウリンノ滝である。

確かコウリンノ滝に着くまでの間だったと思うのだけど、1度だけ岩と岩の間を登っている時に右側にある倒木に頼りすぎてしまい、「えい、やっ」で登ろうとした所、足が滑って背中から1M弱ほど落ちてしまいました。
幸い下が岩が出ていない水の中だったんで水面に行くまでの間左腕を少し岩で擦った程度で済みました。
本人は、周りが思っているほど痛かったとか恐かったとか無かったんだけど、皆がすごく心配してくれたのでよほど変な落ち方したんだろうなぁ。
ただ、全身ずぶぬれになったので、身体が冷えて暫く動きが悪くなりました。

遡行図ではコウリンノ滝までもう少しって感じなんだけど、谷は又急登となるので動いているうちに身体が温まり復活してくる。
と、そこで両側を大きな壁で囲まれたコウリンノ滝が…
本日、名前の知っている4番目の滝です。
近くまで行って眺める。圧巻そのものである。眩い日の光が当たっていたらもっと綺麗だったのにと思う。
綺麗だと思う反面、でも、こんなところどうやって抜け出すんだろうとこの時思う。

★ コウリン滝下(12:45)⇒植林小屋跡(13:30)
そしてここからがしんどいのであった。
そう、行きはよいよい帰りは恐いの始まりである。
今までは、行き方は人それぞれなんだろうけど、一本道を通っている様な感覚だったので自分の居る位置も何となく分ったし、道を探しながら行くという感覚ではなかったので、気分的に安心して進めました。
でも、ここからは、どの辺をどう通ったかほとんど分りません。
持っていた遡行図ではコウリン滝で打ち切りになっていたが、さらにこの滝を巻くらしい。
その為に急な斜面でガレたところを通ったり、踏み跡がほとんど無いところを通ったり途中進めない状態になったりで偵察に行ったりんご畑さんが「あかん、こっち嫌らしいわぁ」なんて言った日にゃあ、心の中で(うん?嫌らしいって?何が嫌らしいの?)なんて思ってしまう。嫌らしくないと判断した方を進むのだが、(こっちでも十分嫌らしいよ〜)と心中叫びながら進む。
途中行き場を失って小さな絶壁を懸垂下降したのは、この時だったかな?
KUROさんにエイト環をセットしてもらい、下降の仕方をおしえてもらう。BAKUさんからは、右手だけは絶対に離したらあかんでと注意を受ける。にわか講習だったが、言われたとおりに何とかやってみる。でも、懸垂下降は結構面白かった。

そうこうしている内に再び谷に降りてくる。
帰っているはずなのに又、暫く沢の登りが続く。(うん?どこへ向かってるの〜)と心の中で思う。
思わず側に居たごましおさんに「又、登っていくんですか?」聞いてしまう。
「もう少しだからね」と言われほっとして着いて行く。
やっと今日の遡行終了点である左岸に植林小屋がある地点に着く。
そうか、コウリン滝が終点じゃなかったのね。(+o+)

★ 植林小屋跡(13:30)⇒終了(17:10)
さっきの大巻きが少し大変だったのでここで休憩。飲食物をとってエネルギー補給。
まだ、妖怪になっていない私は皆とエネルギーモードが全然違うようだ。

ここから先はもうあんな道は出て来ない事を期待していたんだけど、甘かったんだなぁこれが…
ここから、又、時折うろうろしながら途切れ途切れの踏み後を辿ったり、途中何回も崩れた斜面のトラバースがあったりでしかも斜面の下は、絶壁なんて場所が目白押し。

この時はいつか堕ちるのではと思い本当に恐かったです。
おまけに途中で雨も降ってくる。こんな場所が初めての私は、時間も段々経って来てどこまで行けばいいのか見当もつかないので、夕方までに下山の連絡が出来るかなと少しあせりと不安の気持ちが出て来る。

歩いている最中にKUROさんに何度かまっすぐ立った方がいいよと指示されるが、恐くてつい身体が壁の方へ寄ってしまう。
そんなこんなで本日の先生であるキンゴさんの後を必死で着いて行くが、緊張の連続で身体がかなり硬くなる。キンゴさんには途中何回もフォローしてもらう。

その内に喉の渇きと太ももの張りを覚える。ここで少し休憩して水分を取りたい旨をキンゴさん・KUROさんに伝える。
斜面で少し小休止。側にいたごましおさんの好意でザックを持って頂き、私は空身に。
この後、しばらくして踏み跡が段々はっきりしてくる。

後、嫌らしいのは腐った梯子を降りるだけと聞きほっとする。
それからは、どんどんと仕事道を下って行き5時過ぎにやっと元の駐車場に戻ってきたのでありました。
下山の半分は、本当にしんどかったです。沢って谷の中を行くだけじゃあ無いって言うのが良く分りました。やっぱり最後は、歩く事が基本なんだなと思いました。

こんな所を70歳過ぎても行っていた今は亡き父を改めて尊敬しました。
そして、最後の方はしんどかったけど、懲りずに又行こうと思うのでありました。
きたろうオールスターズの皆様、お世話になり有難うございました。
大きな怪我をせずに無事に帰って来れて感謝・感謝です。

【エピローグ】
今回は、かってないほど株式会社きたろうのオールスター勢揃いだったらしいです。
登山歴三ヶ月にしてこんな贅沢なメンバーで始めての沢行きが実現した私は何てラッキーだったんだろうと思います。くしくもプロ野球もオールスター真っ最中でした。
なっちゃんの話では、私の後ろで時折見守る居並ぶ巨塔達がおったそうな。
(小山伏さん、obaさん、りんご畑さん)

そんなこんなで帰りは、温泉に入っておいしい中華料理を食べてご機嫌で帰りました。
今回は、メモを取るまでの余裕がなかったので、写真を眺めながら記憶をたどっての報告文となるので順番が間違っていたり、自分中心のだらだらとした感想文の様な報告になりましたがお許しを〜。間違ってたところがあれば指摘の方もよろしくです。