【南アルプス】尾白川・黄蓮谷
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2001年8月12日〜13日

南アルプスの甲斐駒に突き上げる、面白い谷があるらしい。
仕事の都合で無理かな?と半ばあきらめていたけど、日程を1日ずらしてくれると言う嬉しい計らいで思いっきり手を上げる!

[日  時]2001年8月11夜発〜13日
[天  気]曇り時々雨
[メンバー]小山伏、BAKU、たこやき、Taq、KURO、ぱんちょ、キンゴ
[地  図]2万5千分の1 甲斐駒ケ岳、長坂上条

11日(土)21:00に王寺で待ち合わせ。
10分程遅れて到着したら、いきなり「行くぞ!」「コンビニで晩ゴハンを買いたいなぁ〜」「すぐに行くぞ!」ううっ、ひもじいよぉ〜(T_T)
たこやきさんが「キンゴさん、中央道でSAに寄るからそこで何か買っったらええやん」と言ってくれる。私はこの時、鬼を見た。
中央道まで何時間かかんねん! 魔法使いは、般若にもなれるらしい。(^_^;)
車の運転を交代しながら、途中KUROさんを拾って約6時間くらいで山梨県に到着。道の駅で今夜はザコ寝。

次の朝、尾白川林道に車を突っ込み、車止めゲートまで進む。
雨の降る中、仕度を整えて、さぁ出発! (9:15)
ここから1時間ほどの林道歩き。途中で錦滝の横の東屋で休憩をとって、10:30林道終点に到着。 しばし休んだ後、急な斜面を下って沢床に降り立つ。 水の色が琥珀色や。こんなん初めてお目にかかる。
「さぁ! ガンガン行くでぇ〜!」天気は悪いけど、気合は入ってる。
いよいよ遡行開始。(11:00)

天気はイマイチやけど、谷幅が広くて気持ちが良い。
しばらく河原を進むと、大きな釜を持った斜ナメL3mが現れる。難なくこなしていくと、右からルンゼが入る大きな釜を持ったスラブ滝8m。水流がスラブを割って末広に広がる様は壮観である。さすがアルプス!
スケールが大きい。良く見ると左にロープが垂れ下がっているが、天邪鬼な私とぱんちょさんは右から巻いて落ち口に立つ。ん?もう1人たこやきさんが右から巻いて登ってくるが、後のメンバーはロープを辿って落ち口に立つ。
さて、右岸に渡らなければ進めないが、どうしたもんやら。
右から巻き上がった3人は躊躇する。落ち口の上は小さな釜の上に大きな釜があり、その向こうにはスラブ滝斜L10mが待ち構えている。
釜の間を進もうと試みるが、水流に足をとられて進めない。右岸を登ったメンバー達が、壁にハーケンを打ってザイル工作をしてくれるが、私は待ちきれなくて、もう一度釜の間の水流に突っ込む。ジリジリと足を這わせて、思いきりジャンプ!
ふぅ〜、なんとか渡れた。 たこやきさんにザイルを投げて渡ってもらうが足を滑らせて流されそうになるのを見てヒヤっとする。下手したら滝の下やでぇ〜(^_^;) その瞬間をしっかりTaqさんは写真を撮ってた。
ザイルを手繰り寄せて、たこやきさんを引き寄せる。デカイのが釣れたけどすぐにリリース。水に浸かったふやけたたこ焼きは口に合わない。
次の斜L10mは、左のスラブ(微妙な角度)をフリクションをきかせてヒタヒタ登る。釜を持ったワイドな1m滝をすぎるとすぐに二俣に着く。
(12:00)

右に鞍掛谷を見送って、左の本谷を進むとスラブ滝10mが現れる。左から巻いて、垂れ下がったワイヤーを伝って沢床に降りる。
次の7mの滝のところで谷は右に折れる。左岸のバンドを伝って水流の際に行き、登ってやろうと試みるが無理。左岸を小さく巻く。
すぐ先に2段12mが見え、その向こうに壁が聳え立っている。
ここは右の壁の下を巻いて進むと、次の5mの所で谷は左に折れて、すぐに大きな釜を持った両壁の立った20m。(13:00)
ここは手も足も出ないので左から高巻く。
谷の真中に大石がある所を過ぎ、5mCS滝を右から巻くが、巻く途中で垂れ下がったロープを使って壁を降りなければならない。
沢床に降りるとすぐに左から枝谷が入る。ここから先は左岸の壁がスパっと切れ落ちた絶壁となり、本当に素晴らしい。しばし見惚れる。
この素晴らしい絶壁の下で谷は左に折れるが、ここでスラブ滝が3つ連続する。途中に釜が2つあるが3段25mと言えなくもない。
下の滝はブロンド娘がヒップを突き出しているようでなかなかセクシー(~o~)「カモォーン!」と呼ばれたような気がして、私の身体はセクシーなスラブ滝に引き寄せられる。ブロンド娘を征服して気持ち良く進むと左から枝谷が入り3mの滝を越えて左に2本枝谷を見送ると、きれいなナメ床のところで谷は緩やかに右にカーブして2段20m。(14:25)
下段は水流際を登り、上段は垂れ下がったロープを使って登る。滝上は左岸に壁が聳え立っている。スッゴイ!まさに渓谷という言葉がピッタリ!
ここから4つ程、小滝をやり過ごすと二俣に到着。(14:25)
先行パーティーが一組くつろいでいる。学生さんかな?我々もこの二俣を今日のテン場とする。せっせと薪を集めて、濡れた薪でKUROさんが苦労して火を起こしてくれる。
食事の出きるのが待ちきれなくてビールを飲む! んっまい!500mm2本があっという間になくなる。
いつもながらの小山伏さんの美味しい料理で気分は最高!
しかし雨が本降りとなりテントに逃げ込む。テントの中で宴会をしていると小雨となったので、またまた焚き火の前で宴会開始!気持ちいいぃ〜(~o~)遅くまで宴会は続く・・・・・・。

「5時やでぇ〜〜の声に、全員起き出す。」
美味しい朝ゴハンを食べ終わると、意外な提案がなされる。
天候も悪いし、人数も多いので、黄蓮谷は止めようと言う。
えっ!? なんで!? 一瞬耳を疑った。「行こうやぁ〜」と駄々をこねるが却下される。(T_T)
結局、千畳滝付近から五合目に登って登山道を降りることに決まった。

テン場を8時に出発して左の黄蓮谷を進むと、すぐに10mの滝がかかる。ここは右から高巻く。またまた左岸がすっごい壁となる。
途中右岸にある台地状のところに荷物をデポして殆ど空身の状態で進む。いくつかの小滝をやり過ごすと、千畳ノ滝が現れる。
スゴイ迫力や! 3段100mくらいかな?
下段は右から左に滝の中を渡り、左の隅が登れそうやけど最後がちと嫌らしい。結局戻って右から巻いてそこから上は左を巻いて登る。
滝の上部は緩やかな広いナメ床となり、本当に素晴らしい。(9:56)
天気が良ければ言うことがないんやけどなぁ。
左から五丈沢が入るところに10mがかかり、ここでストップ。
荷物のデポ地まで戻って、また登ってくるんやったらこのまま沢を下ろうと提案をしてそれに決まる。
あとは、のぉ〜んびりと昨日遡行してきた谷を戻って林道終点に辿りつく。
(14:30)

素晴らしい仲間達と、素晴らしい渓谷美を堪能できて、大満足!
こうして私の夏は終わった。
南アルプスに忘れてきた右俣を、来年取り戻しに行くであろう。